婦人科ホルモン療法の選択肢比較
婦人科で処方される主なホルモン療法の選択肢について、それぞれの特徴と適応症を解説します。
低用量ピル
避妊効果に加え、月経痛の軽減や月経周期の安定化が期待できる経口避妊薬です。エストロゲンとプロゲステロンの合剤で、正確な服用が重要です。
ジエノゲスト
子宮内膜症の治療に特化したプロゲスチン製剤です。子宮内膜組織の増殖を抑制し、痛みを軽減します。長期治療が可能な選択肢です。
レルミナ
子宮筋腫による症状の改善に効果的なGnRH受容体拮抗薬です。エストロゲン値を低下させ、筋腫のサイズ縮小と出血量減少が期待できます。
ミレーナ
子宮内に留置するホルモン放出システムです。局所的にレボノルゲストレルを放出し、過多月経の治療や避妊に効果的です。挿入後5年間作用します。
患者さんの症状、年齢、妊娠希望の有無などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。それぞれの治療には特有の副作用や注意点があります。
窪谷レディース&ベビークリニック流山おおたかの森
薬剤の特徴と作用機序
婦人科で処方されるホルモン療法には、様々な選択肢があります。それぞれの薬剤は、ホルモンバランスを調整し、症状を改善するために、独自の作用機序を持っています。
  • 低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンを配合した経口避妊薬です。排卵を抑制することで妊娠を予防するだけでなく、月経周期の安定や月経困難症の改善にも効果が期待できます。
  • ジエノゲストは、プロゲステロン類似物質の経口薬です。子宮内膜症の治療に用いられ、子宮内膜の増殖を抑え、症状の改善を目指します。
  • レルミナは、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬の経口薬です。卵巣からのホルモン分泌を抑制し、子宮筋腫の大きさを縮小させる効果があります。
  • ミレーナは、プロゲステロンをゆっくりと放出する子宮内避妊器です。子宮内膜の増殖を抑え、子宮内膜症や子宮筋腫の症状の改善、月経量の減少、避妊効果が期待できます。
低用量ピルの利点とリスク、適応症
低用量ピルは、避妊効果に加え、月経周期の安定、月経困難症、月経前症候群(PMS)、ニキビなどの症状の改善にも効果が期待できます。しかし、服用することで血栓症や高血圧などのリスクも伴うため、医師とよく相談し、自分の身体に合ったかどうかを判断することが重要です。
利点
  • 避妊効果
  • 月経周期の安定
  • 月経困難症の改善
  • 月経前症候群(PMS)の改善
  • ニキビの改善
  • 子宮内膜症や子宮筋腫の予防
リスク
  • 血栓症
  • 高血圧
  • 肝機能障害
  • 吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 体重増加
  • 気分の変動
低用量ピルは、避妊を目的とするだけでなく、月経周期の安定や月経困難症などの婦人科疾患の改善にも有効な場合があります。しかし、副作用のリスクも存在するため、医師の診察を受け、適切な処方を受けることが重要です。また、服用前に自分の身体の状態や服用中の薬剤について、医師に詳しく説明することが大切です。
ジエノゲストの特徴と子宮内膜症治療における役割
ジエノゲストは、子宮内膜症の治療に効果的なプロゲステロン類似物質です。子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所に発生する病気で、月経痛や骨盤痛などの症状を引き起こします。
ジエノゲストは、卵巣からのエストロゲン分泌を抑えることで、子宮内膜の増殖を抑制し、子宮内膜症の症状を改善する効果があります。また、月経量の減少や月経周期の安定にも効果が期待できます。
ジエノゲストは、経口薬として服用し、副作用として、体重増加、気分の変動、不正出血などが報告されています。これらの副作用は、個人差があり、軽度の場合が多いですが、気になる場合は医師に相談してください。また、ジエノゲストは妊娠中は服用できません。
レルミナの特徴と子宮筋腫治療における効果
レルミナは、子宮筋腫の治療に効果的なゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬です。子宮筋腫は、子宮の筋肉組織が異常増殖してできる良性腫瘍で、月経過多、月経痛、貧血、頻尿などの症状を引き起こします。
レルミナは、卵巣からのエストロゲン分泌を抑制することで、子宮筋腫の大きさを縮小させる効果があります。また、月経量の減少や月経周期の安定にも効果が期待できます。しかし、レルミナは、卵巣機能を抑制するため、骨粗鬆症のリスクが高まる可能性があります。
レルミナは、経口薬として服用し、副作用として、ホットフラッシュ、頭痛、気分の変動、膣乾燥などが報告されています。これらの副作用は、個人差があり、軽度の場合が多いですが、気になる場合は医師に相談してください。また、レルミナは妊娠中は服用できません。
ミレーナの特徴とホルモン放出システムの仕組み
ミレーナは、T字型のプラスチック製フレームにプロゲステロンを封入した子宮内避妊器です。子宮内に挿入することで、プロゲステロンが徐々に放出され、子宮内膜の増殖を抑制します。
主な効果として、月経量の減少、月経痛の軽減、避妊効果があり、子宮内膜症や子宮筋腫の症状改善も期待できます。効果持続期間は5年間で、その後は交換が必要です。
ただし、子宮内避妊器の使用には子宮内膜炎などのリスクを伴うため、医師との十分な相談のもと、適切な判断が必要です。
副作用と注意点の比較
注意点、金額が表示されない場合は、右にスクロールするとご覧いただけます。
副作用
注意点
保険3割負担
低用量ピル
吐き気、嘔吐、頭痛、高血圧、肝機能障害、体重増加、気分の変動、血栓症
服用前に自分の身体の状態や服用中の薬剤について、医師に詳しく説明すること。
<1,000円/ 月
ジエノゲスト
不正出血、気分の変動
1日2回服用。10%程度の排卵があるので、避妊薬ではない。
<1,000円/ 月
レルミナ
ホットフラッシュ、頭痛、気分の変動、膣乾燥
骨粗鬆症のリスクが高まる可能性があるため、投与期間は6ヶ月まで。
7,000〜8,000円/月
ミレーナ
不正出血、腹痛、頭痛、乳房の痛み、
自然脱出率は3.5%。医師とよく相談し、自分の身体に合ったかどうかを判断することが重要。
約15000円/5年間
避妊目的では自費
それぞれの薬剤は、効果だけでなく、副作用や注意点も異なります。医師の診察を受け、自分の身体の状態や服用中の薬剤について、詳しく説明することが大切です。また、副作用や注意点について、医師に質問し、不安な点を解消するようにしましょう。
患者さんの状態に応じた最適な選択のポイント
ホルモン療法の選択は、患者さんの目的や症状、年齢、ライフスタイルに基づいて慎重に行われるべきです。治療の目的(避妊、疾患治療、または両方)によって最適な選択肢が大きく異なります。
症状や目的別の主な選択肢:
避妊目的
低用量ピルは服用が簡単で高い避妊効果があります。ミレーナは長期間(5年間)の避妊効果を提供し、日々の服用管理が不要です。
月経困難症・PMS
低用量ピルは月経痛を軽減し、PMS症状を改善します。ジエノゲストも月経痛の緩和に効果的ですが、避妊効果は期待できません。
子宮内膜症
ジエノゲストは子宮内膜症の痛みや進行を抑制する専門的治療薬です。ミレーナも局所的ホルモン作用で症状改善に役立ちます。
子宮筋腫
レルミナは筋腫を縮小させる効果があり、短期的治療(最大6ヶ月)に適しています。ミレーナは出血量を減少させるため、筋腫による過多月経の症状緩和に役立ちます。
治療選択の際は、効果だけでなく、副作用プロファイル、投与方法の利便性、費用対効果、治療期間などを総合的に考慮することが重要です。医師との十分な相談を通じて、自分のライフスタイルや健康状態に最も適した選択を行いましょう。